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山階鳥類学雑誌(第52巻第2号)をご紹介します。

山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2020年12月15日付けで発行された、2020(令和2)年度の第2号についてご紹介します。

● 原著論文
Whitworth, D.L.・ Carter, H.R.・中村 豊・武石全慈・大槻都子: 宮崎県枇榔島におけるカンムリウミスズメ Synthliboramphus wumizusume の孵化成功率と捕食(英文) pp.63‒82
江崎保男・田悟和巳: 吉野川のミサゴ ~繁殖と採餌生態~ pp.83-97

● 短報
大槻都子・Whitworth, D.L.・Parker, M.W.・箕輪義隆・中村 豊・吉本竹宏:宮崎県小枇榔におけるカンムリウミスズメの繁殖の確認(英文) pp.99-104
福田道雄: 大正時代の浅草花屋敷に来たペンギン pp.105-112
黒木知美・鶴見みや古・長堀正行: 日本産,朝鮮半島産,および中国陜西省からの提供個体を始祖とする日本産トキに共生するウモウダニ種構成の比較 pp.113-123

● 報告
山本美枝: 長崎県福江島におけるカンムリオウチュウの記録 pp.124-128
正富欣之・森竹 祐: 北海道における野生タンチョウの鳴き合い行動の開始年齢に関する観察記録 pp.129-132
倉沢康大・安部亮佑・西沢文吾: 北海道近海におけるアシナガウミツバメ Oceanites oceanicus の記録 pp.133-137
山崎剛史・亀谷辰朗: 鳥類の目と科の新しい和名(2)鳴禽類 pp.138-143
中原 亨・江頭幸士郎: 男女群島におけるヤイロチョウの初記録 pp.144-146

● 回想録 pp.147-151
● 誌碑 pp.152-156
● 投稿論文査読者一覧 p.157
● 投稿される方へ pp.158-162
● 投稿される方へ(英文)pp.163-167

<編集長 綿貫豊北海道大学水産科学研究院教授の編集後記から>
原著2編短報3編報告5編とそれぞれに充実した号となりました。内容も海鳥と陸鳥、生態と寄生虫、飼育の歴史、観察記録なとバラエテイーがあります。山階鳥類学雑誌はこうした多様な原稿を歓迎します。様々なタイプの「報告」を投稿しやすくなるようなスタイルを検討しております。さて、今年から、受理された論文のうち毎年1~2編特筆すべきものを編集長が選び紹介することとしました。このEditor’s Choice論文には出版後直ちに自由にダウンロードできるようになるという特典があります。今年は 江崎・田悟両氏によります、「占野川のミサゴ」です。下流域全ての個体の繁殖と餌や採食場所を、直接観察により丁寧に調べたもので、堤の下流や河口が主たる狩場となっていること、それが営巣場所にも関係していそうなことを明らかにしています。

*「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

献本ありがとうございます『見わけがすぐつく野鳥図鑑』『日本鳥類図譜』『つれてこられただけなのに〜外来生物の言い分をきく〜』『岩波科学ライブラリー298 電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?』『講談社の動く図鑑 MOVE mini 鳥』

出版社または著者から紹介のご依頼があったり、資料提供などお手伝いのお礼その他の理由で、広報にお送りいただいた書籍です。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。ご紹介が遅れましたこと、おわび申し上げます。

小宮輝之(監)
『見わけがすぐつく野鳥図鑑』
成美堂出版, 東京. (2020年5月20日発行, 336ページ. 1,100円+税. ISBN-978-4-415-32608-5)
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久保敬親(写)樋口広芳(監)柴田佳秀(著)
『日本鳥類図譜』
山と渓谷社, 東京. (2020年7月1日発行, 304ページ. 4,200円+税. ISBN-978-4-635-06291-6)
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小宮輝之(監)有沢重雄(構成・文)今井桂三ほか(絵)
『つれてこられただけなのに〜外来生物の言い分をきく〜』
偕成社, 東京. (2020年7月6日発行, 119ページ. 1,000円+税. ISBN-978-4-03-528590-8)
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三上修(著)
『岩波科学ライブラリー298 電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?』
岩波書店, 東京. (2020年11月25日発行, 126ページ. 1300円+税. ISBN-978-4-00-029698-4)
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川上和人(監)
『講談社の動く図鑑 MOVE mini 鳥』
講談社, 東京. (2020年12月2日発行, 208ページ. 980円+税. ISBN-978-4-06-521386-5)
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オオミズナギドリの大規模繁殖地の御蔵島において、ノネコが本種を数多く捕食している実態を明らかにしました

森林総合研究所、東京大学大学院農学生命科学研究科、山階鳥研の研究グループは、東アジア特産の海鳥オオミズナギドリの大規模繁殖地の御蔵島において、ノネコが本種を数多く捕食している実態を明らかにしました。論文が公開されましたので、昨日、プレスリリースを行いました。

御蔵島では1970年代後半には175万~350万羽のオオミズナギドリが繁殖していると推定されていましたが、近年では10万羽程度と急激に減少しています。その一因として、島に多数生息するノネコによる捕食が考えられていましたが、その実態はよくわかっていませんでした。

本研究の結果、オオミズナギドリの繁殖期には、ノネコの糞の約8割から本種の羽毛や骨などが検出され、ノネコ1匹あたり平均で年間313羽のオオミズナギドリを捕食していると推定されました。

これまでのオオミズナギドリの減少傾向と本研究で示されたノネコの捕食の実態から、御蔵島のオオミズナギドリ繁殖地がノネコの捕食圧で危機に直面していると考えられます。

プレスリリースはこちらをご覧ください(12/8付け)

論文PDFはこちらです。
Azumi, S., Y. Watari, N. Oka, and T. Miyashita, 2020. Seasonal and spatial shifts in feral cat predation on native seabirds vs. non-native rats on Mikura Island, Japan. Mammal Research. 


【延期しました】10月のテーマトークは「ムクドリの子育て事情」(10/24(土)、×10/17(土))です。

★技術的な問題のため、このトークは10/24(土)に延期しました。時間を作ってお待ちいただいた皆様大変申し訳ありませんでした。10/24(土)は下記表紙画像をクリックしてご覧ください。

我孫子市鳥の博物館で開催する、第3土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は10月17日10月24日(土)に、齊藤安行・我孫子市鳥の博物館学芸員が、ムクドリの子育てについて、オンラインでお話しします。

ムクドリは、駅前広場などに大群でねぐらをとり騒がしいことから嫌われ者にされがちです。しかし、これはこの鳥のほんの一面です。今回は、子育てという視点からムクドリのくらしを見てみましょう。架設した巣箱での子育ての様子や、研究者らによって明らかにされたムクドリの子育て事情を齊藤安行学芸員に紹介してもらいます。

多くの皆様のご視聴をお待ちしています。

第95回テーマトーク「ムクドリの子育て事情」
【講師】 齊藤安行(我孫子市鳥の博物館学芸員)
【日時】 10月17日10月24日(土)午後1時30分~2時15分 ※オンラインで実施
【参加費】 無料

【参加方法】 Youtube Liveを利用してオンラインで実施します。10月24日(土)のための配信URLは、以下の表紙画像にリンクが埋め込まれていますので、時間になりましたらこの表紙画像をクリックして視聴できます(事前登録不要、人数制限なし)。※都合によりリンクを再度変更しました(10月21日)。


※ 質問はYouTubeのチャット機能を利用して行っていただく予定ですが、チャット機能の利用にはログインが必要です。

【主催・問い合わせ先】 山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ テーマトークでのこれまでの講演実績はこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです

明けましておめでとうございます

皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は、多くの皆様に山階鳥類研究所の活動にご理解とご支援をいただき大変ありがとうございました。またブログやSNSも閲覧していただきありがとうございます。山階鳥類研究所ウェブサイトに、奥野卓司所長の新年のご挨拶を掲載いたしました。

本年も引き続き山階鳥類研究所へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。ブログ、facebooktwitterも引き続きよろしくお願いいたします。

※ 画像はヒヨドリです。関東地方の平野部では周年見られますが、とくに越冬期には、もっと北で繁殖した個体が南下して加わって数が増えることもあるのか、よく目立ちます。

おかげさまでフェイスブックのファンが36の国と地域から1,800人を越え、ツイッターのフォロワーも10カ国から2,100人を越えました

2015年11月初めから開始した山階鳥研のFacebookページですが、この2019年4月1日に「いいね」していただいているファンの数が、おかげさまで1,824人となりました。すでに3年以上、原則としてすべての投稿に英文を併記(または使用言語の切替によって英文が表示されるように)しており、画像に示したとおり、日本以外に国外の35の国と地域から「いいね」をいただいています。

同じ時期に始めたTwitterのフォロワー数は、4月1日現在、2,122人です。Twitterも原則として日英のふたとおりで投稿しており、海外からのフォロワーはいずれも1%(=約21人)未満で、ロシア、アメリカ合衆国、カナダ、タイ、台湾、オーストラリア、オランダ、中国、香港の9の国と地域からフォローされています。

皆様にご関心をお寄せいただき大変ありがとうございます。引き続き応援よろしくお願いします。

※ 山階鳥研のFacebookページはこちらです。
※ 山階鳥研のTwitterはこちらです。

5月のテーマトークは「日本に渡って来るハマシギの亜種はどれ?」(5/18(土))です

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第3土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は5月 18日に、茂田良光・客員研究員が、日本に渡来するハマシギの亜種についてお話ししします。

「亜種」って難しい言葉ですがどういうことでしょうか?皆さんご存知のように、鳥は、スズメだったりシジュウカラだったりと、「種」に分けられています。亜種とは、種としては同じ種なのだけれど、その種の分布する地域によって、少しずつ色や形、大きさなどが異なるとき、種の下に、亜種というカテゴリを設けて区別するものです。もっと詳しくいうと、繁殖する地域によって違いがあって区別できることがあるので、そのときに亜種と言って名前をつけて区別している、ということになります。

さて、日本に渡来するシギ・チドリ類の中でもなじみの深いハマシギは北極圏に10ほどの亜種が分布しています。つまり同じハマシギという種だけれど繁殖している場所ごとに少しずつ違うグループが10ぐらいの区別できるわけです。亜種は普段のバードウォッチングでは区別できないことも多く、わざわざ区別する必要もないのですが、鳥類の保全のために、たとえば日本に飛んでくるこの鳥の亜種はどの亜種なのか、ということを分かっていることは意味があることです。それで今回のお話のテーマは、日本に冬鳥または旅鳥として渡来するハマシギはどのあたりで繁殖する何という亜種が飛来するのでしょうか?ということです。

カラーフラッグという野外で観察して記録できる個体識別の調査や、形態の研究などからわかったことを茂田良光・客員研究員がお話しします。

第85回「日本に渡って来るハマシギの亜種はどれ?」
【講師】茂田良光(山階鳥研 客員研究員)
【日程】5月18日(土)

【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
    → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 写真は、アラスカ北西部で繁殖して日本に渡来するハマシギの一亜種、キタアラスカハマシギです。
※ テーマトークでのこれまでの講演実績はこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです


山階鳥類学雑誌(第50巻2号)のご紹介

山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2019年2月28日付けで発行された、2018(平成30)年度の第2号についてご紹介します。

● 原著論文
久井貴世:江戸時代におけるツルとコウノトリの識別の実態:博物誌史料による検証 pp.89-123.

● 短報
赤谷加奈・高木昌興:飼育下におけるオスのリュウキュウコノハズクの繁殖行動の開始時期(英文) pp.125-128
林 暁央:キジの高鳴きの地理的変異(英文) pp. 129-137

● 報告
Vladimir Dinets: ヒガシシナアジサシ Thalasseus bernsteini の日本初記録(英文) pp.138-140
山崎剛史・亀谷辰朗:鳥類の目と科の新しい和名 (1) 非スズメ目・イワサザイ類・亜鳴禽類 pp.141-151

● 誌碑 pp.152-154
● 書評 p.155
● 投稿論文査読者一覧 p.156
● 投稿される方へ pp.157-161
● 投稿される方へ(英文)pp.162-166

<編集長 綿貫豊北海道大学水産科学研究院教授の編集後記から>
50巻2号では、原著論文1報、短報2報、報告2報を掲載しています。原著論文は博物史料などを用いて江戸時代にツルとコウノトリがどのように記載されていたのかを分析した論文で、その認知度や史料中での識別限界を科学的に明らかにすることによって、鳥類の分布や生態の歴史的変化の研究が可能になることが期待できます。こうした史料を用いた、人文科学的な研究成果も山階鳥類学雑誌は大いに歓迎します。ぜひ論文や報告として投稿してください。編集委員会では、より広い範囲の分野の多くの方からご投稿いただけるよう、投稿規定の改定やアピール方法を検討しております。今後ともよろしくお願いいたします。

「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

イチローとユキの最初の子が聟島に帰還しました

小笠原群島聟島におけるアホウドリの新繁殖地形成事業※において、イチローとユキの愛称で呼ばれるつがいから、2016年に最初に生まれた個体が、この繁殖期に聟島(むこじま)に帰還したことが、東京都の委託による山階鳥研の調査で確認されました。

イチローはこの事業で2008 年に聟島を巣立った人工飼育個体(色足環 赤Y01、11歳、雄)、ユキは野生個体(足環なし、雌)で、このつがいは2015〜16年の繁殖期以来、過去3シーズン連続で繁殖に成功しています。

山階鳥研が2019 年 2 月10日から17日まで聟島で行った調査において、イチローとユキの最初の子である2016年生まれの個体(色足環 赤Y75)の帰還が確認されました。

聟島で人工飼育した個体の子が小笠原諸島に帰還した事例はこれまでに、聟島から約5キロ南の媒島(なこうどじま)で、2009年生まれの人工飼育個体(色足環 赤Y11)から生まれ、2014年5月に巣立った雌個体(色脚環 緑M170)が、2017年3月1日に聟島に帰還した例があります。

なお、イチローとユキは今シーズンも繁殖して、現在、ヒナを順調に育てていますが、2017〜18年の繁殖期に産卵した卵が孵化に至らなかったつがい (2009年巣立ちの色足環番号 赤Y11の人工飼育雌個体と、未特定の雄)は今シーズンも産卵していましたが卵は孵化していませんでした。

※ この事業は、山階鳥研が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、 三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金等の支援を得て、新しい繁殖地 を形成する目的で、伊豆諸島鳥島のアホウドリの雛を小笠原諸島聟島に移送(2008~ 2012 年)し、その後、東京都の委託調査としてモニタリングを実施しているものです。

※ 写真は、左から、Y75(イチローとユキの2016年生まれの子)、イチロー(2008年巣立ちの人工飼育個体)、ユキ(野生個体)、イチローとユキの今年生まれのヒナ(2019年2月15日、小笠原諸島聟島)。



明けましておめでとうございます

皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は、多くの皆様に山階鳥類研究所の活動にご理解とご支援をいただき大変ありがとうございました。またブログやSNSも閲覧していただきありがとうございます。

山階鳥類研究所ウェブサイトに、壬生基博理事長の新年のご挨拶を掲載いたしました。

本年も引き続き山階鳥類研究所へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。ブログ、facebooktwitterも引き続きよろしくお願いいたします。

※ 画像は求愛ディスプレイするコガモの雄です。多くのカモ類で越冬期につがいが形成されるので、それらの種では冬に求愛行動が観察できます。