2017年2月20日から3月5日の日程で、米国商務省海洋大気庁の生物学者シリ・ハカラ(Siri Hakala)さんをマンスフィールド研修員として受け入れました。
マンスフィールド研修は、日本の行政システムに詳しい知日派の中堅若手官僚を育成する目的で、米国政府職員が日本政府ほかでの研修を行うプログラムで、米国国内法であるマイク・マンスフィールド・フェローシップ法に基づいて日米両国政府が協力して実施しています。研修員は約2ヶ月間の日本語集中研修とホームステイのあと、10ヶ月間は日本の各府省や地方公共団体、民間企業・団体等の職場に配属され日常業務を通じて研修します。
米国海洋大気庁太平洋諸島水産科学センターで働くハカラさんはこのプログラムの第21期の研修員10名のうちの一人として、2016年7月に来日し、日本における水産や海洋生態系、希少種に関する調査研究と政策決定の関係についての理解を深める目的で、行政機関、大学、水産研究所等で研修しました。その一環として、山階鳥研も本人の希望で研修先に選ばれました。我孫子の山階鳥研で2日間の研修を行ったあと、小笠原諸島聟島(むこじま)でアホウドリの飛来状況のモニタリング調査に出口智広研究員とともに参加しました。その間、山階鳥研で職員ほかを対象として1回と、小笠原の父島で自然保護関係者等を対象として1回のセミナーを行いました。セミナーの内容は、米国海洋大気庁での希少種保全を中心としたもので、小笠原でのセミナーは現地の関係者も関心の高いクジラ類の研究と保全を中心にして行われました。
※ ハカラさんがご自身のブログに、聟島での調査について書かれた ” A Week on Mukojima”(英文) はこちらをご覧ください。
※ 写真上は、アホウドリ観察ポイントのハカラさん(右、2017年2月26日小笠原諸島聟島)、写真下は山階鳥研でのセミナーのようす(2017年2月20日)です。
※ マンスフィールド・フェローシップ・プログラムについてはこちら(モーリーン&マイク・マンスフィールド財団のウェブサイト)をご覧ください。
※ 山階鳥研のアホウドリ保護活動についてはこちらの「アホウドリ 復活への展望」をご覧ください。