お客様」カテゴリーアーカイブ

八重子の会の方々が来所しました

1月30日、大正から昭和にかけてフィリピンで貝や鳥を多数採集した山村八重子の遺品整理と調査を行っている「八重子の会」の稲葉和也 会長ら6名が山階鳥研を訪れました。山階鳥研は、山村八重子に関連する鳥類標本を所蔵しており、この日は、鶴見みや古 文化資料ディレクターと小林さやか 研究員の案内で収蔵庫と書庫を見学しました。

山村八重子が採集したとされる鳥類標本
書庫を案内する鶴見 文化資料ディレクター

博物館実習生を受け入れました

資料を保存袋に収納する実習生(左)と鶴見 文化資料ディレクター(右)

山階鳥研は、学芸員資格の取得を目指す学生を対象に、博物館実習生を受け入れています。今年は8月28日から9月1日の5日間、東京農業大学 地域環境科学部の4年生1名が実習を行いました。

今回の実習の主な内容は、図書の整理や、文化資料の登録準備で、鶴見みや古 文化資料ディレクターが指導を担当しました。

山階鳥研は、創設者山階芳麿博士が研究に使用した機材や、鳥学者から寄贈された日本の鳥学の足跡を知ることができるさまざまな文化資料を所蔵しています。今回の実習では、山階芳麿博士が実際に使用していた双眼鏡に登録番号を書いたラベルを付けるといった登録作業、未登録の本や雑誌の整理、昔の写真の汚れを取り、長期保存が可能な透明なポリエチレンの袋に収納するといった保存作業などを行いました。資料整理には慎重さも必要です。場合によっては、物が包まれていた新聞紙、封筒も大切な資料になり得ます。日付や消印からは資料の制作や使用年代、封筒に書かれている住所などの文字情報からは、購入先などさまざまなことがわかる可能性があるからです。今回は細かくて気を遣う作業が多かったですが、山階鳥研には鳥の標本のほかにも「さまざまな資料」があることを知っていただき、鳥の世界が広がった実習であればうれしい限りです。

ドイツから研究者が来所しました

フリードマン博士の講演の様子

5月31日、6月1日に、ドイツ・ハンブルク動物学博物館の鳥類学担当のキュレーター、フリードマン博士が標本調査と標本管理システムの視察のため来所しました。

ニック・フリードマン(Nick Friedman)博士は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)に在籍していたこともあり、日本の南西諸島の島嶼に生息する鳥類標本を閲覧しました。また、山階鳥研の標本収集や標本管理システムについては岩見恭子 研究員が説明しました。6月1日には所内の講堂で、オーストラリアの鳥類におけるくちばしの大きさと形の進化に関する研究や、沖縄県のやんばる地域で録音された環境音をAIで解析し人間活動が生物へ及ぼす影響を調べる研究などを紹介するセミナーが行われました。

韓国の国立野生動物疾病管理院と鳥インフルエンザに関連する渡り鳥追跡のための協定を締結しました

調印式後の記念撮影 (前列、左から)イ・スウン チーム長、シン 院長、峰崎善次 事務局長、尾崎清明 副所長(後列、左から)水田拓 自然誌・保全研究ディレクター、イ・シワン 韓国環境生態研究所所長、チョン・ソル 研究員、イ 研究員、澤 研究員

6月20日、韓国の国立野生動物疾病管理院(NIWDC)から、シン・ドンイン 院長ら5名が山階鳥研に来所し、調印式を行いました。

韓国の国立野生動物疾病管理院(NIWDC:National Institute of Wildlife Disease Control and Prevention)は鳥インフルエンザに関連する種の追跡プロジェクトを立ち上げています。韓国国内だけでなく、モンゴルなどの周辺国とも共同研究を実施しています。今回締結した協定により、今後5年間程度、鳥インフルエンザとの関連が考えられるガンカモ類やツル類などの渡り鳥を継続して追跡調査し、情報を共有する予定です。当日は、調印式に先立ってセミナーが開催され、イ・ソンミ 研究員からは追跡プロジェクトの概要について、澤祐介 研究員からはガン類における近年の追跡調査についての講演があり、双方の意見交換を行いました。

ヤンバルクイナが好きな高校3年生が来所しました

尾崎副所長(右)、麗香さん(中央)とお母さん

3月13日、高校3年生の白井麗香さんがお母さんと一緒に来所されました。白井さんはヤンバルクイナが大好きで、高校でヤンバルクイナを研究テーマとして、絶滅危惧種の生態や保護活動及び環境問題について探究する中で、山階鳥類研究所に連絡をいただいたことから、本種を長年研究している尾崎副所長が回答しました。尾崎副所長からは、まず自分でどのように調べるかということをアドバイスし、白井さんがご自分で調べて分からない点については尾崎副所長がお答えしました。

白井さんは今春、東邦大学理学部に入学が決まったそうで、大学でも絶滅危惧種の研究を希望しています。引き続き有意義な研究ができることをお祈りします。

韓国から環境地理学の研究者が来所しました

左から水田 自然誌・保全ディレクター、平岡 広報ディレクター、チェ研究教授、尾崎副所長、仲村研究員

2月3日、韓国科学技術院(KAIST)で環境地理学を専攻するチェ・ミョンエ(崔明愛)研究教授が山階鳥研を訪れました。来訪の目的は、日韓両国の鳥類学者の過去と現在の交流についての情報収集で、山階鳥研の尾崎清明 副所長、水田拓 自然誌・保全ディレクター、仲村昇 研究員、平岡考 広報ディレクターが対応しました。

中学生が標本閲覧に来所しました

サギ類の頸骨を測定する渡邉さん。奥は書記役のお母さんです。

3月29日、東京都荒川区の中学生、渡邉真央(わたなべ・まなか)さんがお母さんと一緒に標本閲覧に来所しました。

渡邉さんは小学生の頃からバードウォッチングをしており、6年生の時にはすでに鳥の骨について調べてレポートを書いていたそうですが、今回は今日と3月30日の2日の予定で、サギ類の頸椎(首の骨)を比較検討するために来所したものです。

話を伺うと、日本鳥学会大会での発表を目指しているとのこと。日本鳥学会では、例年、高校生とそれ以下の年齢の方たちに研究発表していただくポスター発表の枠を設けています。成果を学会でうかがうのが楽しみです。

中国の研究者が来所しました

6月17日、中国科学院大学人文学院の黄荣光さんが来所しました。科学史の研究者である黄さんの研究テーマは「現代中国の対外科学技術交流」というもので、今回は1980年代〜1990年代に山階鳥研が関係した鳥類保護や研究の交流などについて情報収集するため来所されました。尾崎清明副所長と平岡広報コミュニケーションディレクターが対応しました。

人獣共通感染症の研究者がセミナーを行いました


山階鳥研では鳥類の移動や寿命などを、野鳥に番号付きの足環をつけて調べる鳥類標識調査を環境省の委託を受けて実施しています。野鳥にはマダニがついて運ばれることがあることから、山口大学共同獣医学部獣医微生物学教室の前田健教授のチームと共同研究として、野鳥につくマダニを介した感染症の調査を行っています。

この結果が出始めたことから、4月25日に前田健教授が山階鳥研でセミナーを行いました。セミナーでは人獣共通感染症の一般論からはじまり、標識調査によって得られたマダニがもつ病原体の調査から分かってきたことや、さらに今後の研究の見通しについて報告がありました。さらに野外調査における注意点の解説もあり、参加者した所員らは自分達に身近な話題であるだけに熱心に聴講し、質問していました。

※ 山階鳥研の鳥類標識調査についてのページ「渡り鳥と足環」はこちらです。

最近いらっしゃったお客様から

10月11日、ニュージーランドのスティーブン・ペイトン(Stephen Payton)駐日特命全権大使夫妻一行が、山階鳥研を訪問し、所内を見学しました。ペイトン大使は、ニュージーランドのシギ類は北極圏まで飛んで行くが、それは日本も通過するのかといった専門的な質問をされたり、キーウィの標本を目にするとキーウィの夜間調査を見学した経験を話されたりと、鳥類や自然環境にも関心をお持ちで、興味をもって見学していらっしゃるようすでした(写真は、右からペイトン大使、キャロリン・ガイ(Carolyn Guy)参事官、山崎剛史 自然史研究室長、ジャネット・ロー(Janet Lowe)大使夫人、壬生基博 理事長、北條政利 事務局長です)。

10月17日、日橋一昭 井の頭自然文化園園長と、埼玉県こども動物自然公園のスタッフ4名が、山階鳥研を訪問し所内を見学しました。実際にさまざまの鳥に日常的に接している動物園のスタッフの方たちは、口々に感想を話しながら、興味深そうに説明を受けたり、いろいろな資料を見学していました(写真は右奥が日橋園長、手前がこども動物自然公園のスタッフのみなさん、左奥は山崎 自然誌研究室長です)。

10月30日、雑誌エコノミスト(The Economist)誌のアジア地区の編集者、ドミニック・ツィーグラー(Dominic Ziegler)さんが、日本の鳥類学や鳥類保護の取材のため、山階鳥研を訪れました。日本の鳥類学や山階鳥研の鳥類標識調査、アホウドリ保護の歴史と現状、標本コレクションの成り立ちなどについて熱心に取材してゆかれました(写真は右から、同行したバードライフ・インターナショナル東京のシンバ・チャン(Simba Chan)さん、ツィーグラーさん、尾崎清明 副所長、平岡考 広報コミュニケーションディレクターです)。