鳥類標識調査

仕事の実際と近年の成果

2013年7月4日掲載

合計放鳥数 500万羽越え

環境省の委託で山階鳥類研究所が行っている鳥類標識調査で、継続的にデータが蓄積された1961年からの合計放鳥数が、2011年末の時点で500万羽を越えたことが、2011年の放鳥数を集計した結果判明しました。

山階鳥研ニュース 2012年7月号より)

>> 報道発表資料(PDF)

鳥類標識調査は、鳥類に足環等を装着して放し、再捕獲や観察によって情報を収集、分析して、鳥類の渡りや寿命などの様々の生態を明らかにするものです。我が国では1924年に農商務省によって初めて行われて以来、途中戦争の影響による中断があったものの、約90年にわたって続けられています。山階鳥研では、戦後の1961年に林野庁が再開したときから鳥類標識調査を実施しており、1972年以降は環境庁(のち環境省)の委託事業として行っています。

このたび500万羽を越えたのは、1961年以来、足環を装着して放した鳥の累計数です。

尾崎清明保全研究室長は、「この数字は、多くの関係者の協力で、長期間にわたって継続してきたことの成果です。世界的には十数番目の達成になり、アジア諸国では例のない数字です。長期間にわたるデータの大半がデジタル化されているので、今後さまざまな分析に活用できます。さらに調査を継続発展させ、鳥類の保全に役立つ基礎データとしてゆきたい」と話しています。

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