山階武彦助成事業について

2024年12月1日更新

令和7年度の助成要綱を掲載しました。

山階武彦助成事業とは

野生鳥獣の保護に関する学術及び科学の振興を図ることに資する国際会議等に出席する学者・研究者に対し、主にその渡航費用を助成することを目的としています。現在、(公財)山階鳥類研究所がその事業の一環として本助成事業を行っております。

山階武彦とは

明治31年(1898年)2月、皇族山階宮菊麿王の第一王子として生まれました。山階鳥類研究所の創設者である山階芳麿博士の実兄です。山階宮武彦王(当時)は海軍航空隊に所属し、自邸で操縦訓練を行うほどの傾倒振りで、空の宮様とも呼ばれました。1947年(昭和22年)、他の宮家とともに皇籍を離脱して山階武彦を名乗りました。

財団法人山階野生鳥獣保護研究振興財団について

山階武彦は、昭和58年8月17日、民法34条に基づく公益法人として、財団法人山階野生鳥獣保護研究振興財団(略称「鳥獣財団」)を設立しました。鳥獣財団は、前述した学者・研究者に対する海外渡航費用の助成を行うことをその主な目的としました。昭和59年に助成を開始し、平成22年度までの27年間に、合計105人の研究者等に対し総額約4,000万円の助成を行ってきました。

(財)山階鳥類研究所との合併及び助成事業の承継について

諸般の事情から、鳥獣財団は、平成22年12月3日、(財)山階鳥類研究所(当時)と合併し、解散致しました。今後、鳥獣財団が行ってきた助成事業は(公財)山階鳥類研究所が承継します。永く親しまれてきた助成事業は、創設者の名前にちなんで、今後「山階武彦助成事業」と呼ばれます。

令和6年度(2024年度)助成対象者

令和6年度山階武彦助成事業の助成対象者は次の方々です。(敬称略、所属は応募当時のもの)

  • 池内 俊雄(雁の里親友の会)
  • 江指 万里(北海道大学大学院理学院自然史科学専攻)
  • 金杉 尚紀(北海道大学大学院理学院自然史科学専攻)
  • 五藤 花(北海道大学環境科学院)
  • 白井 あやか(兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科)
  • 渡久地 豊
  • 戸部 有紗(京都大学野生動物研究センター)
  • 鳥飼 久裕(特定非営利活動法人奄美野鳥の会)
  • Batmunkh Davaasuren(Wildlife Science and Conservation Center of Mongolia)
  • 吉川 翠(国立科学博物館動物研究部)

これまでの助成対象者と対象会議

これまでに当事業の助成対象となった方々は次の通りです。(敬称略、所属は応募当時のもの)

 
氏名所属機関会議・活動名開催国・活動国
令和5年度(2023年度)
池内俊雄日本雁を保護する会20th Meeting of the Goose Specialist Groupモンゴル
小田谷嘉弥我孫子市鳥の博物館Khurkh Bird Ringing Station における鳥類標識調査モンゴル
風間麻未うみねこんぶプロジェクトウミネココロニーに侵入するドブネズミの侵入経路・時期の特定及び侵入防止策の検討日本
田中博人東京工業大学工学院機械系IEEE(International Conference on Robotics and Automation 2023)英国
楢橋真理環九州大学大学院地球社会統合科学府ミャンマーでの鳥類の捕獲及びDNAサンプルの採取調査ミャンマー
渡邉拓巳東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻International Congress of Vertebrate Morphology 2023オーストラリア
令和4年度(2022年度)
石郷岡 潤Max Planck Institute for Evolutionary Biology日本進化学会年大会日本
杉浦恭子早稲田大学人間科学学術院動物行動学研究室北海道利尻島におけるオオセグロカモメの人為起源餌の利用が本種の繁殖成績に与える影響の調査日本
惣田彩可京都大学理学研究科動物学教室Vertual International Ornithological Congress 2022南アフリカ
辻本大地京都大学大学院農学研究科Vertual International Ornithological Congress 2022南アフリカ
中嶋千夏
 >> レポート
筑波大学大学院生命地球科学研究群生物学学位プログラムアラスカ州ミドルトン島におけるウトウとエトピリカの行動生態調査アメリカ
義村弘仁京都大学理学研究科生物科学専攻野生動物研究センターInternational Society for Behavioral Ecology Congress 2022スウェーデン
令和3年度(2021年度)
大槻正遼
 >> レポート
早稲田大学人間科学学術院野生動物生態学研究室北海道枝幸町におけるウミネコに対する侵略的外来種アライグマの影響調査日本
(注)令和3年度は新型コロナウイルスの影響で調査が中止になり、1名の方が辞退されました。
令和2年度(2020年度)
原田夏輝東京工業大学工学院SICB2021(Virtual Annual Meeting of The Society for Integrative & Comparative Biology)アメリカ
(注)令和2年度は新型コロナウイルスの影響で会議や調査が中止になり、7名の方が辞退されました。また、上記の方も会議がオンラインでの開催へ変更になり、学会で使用した費用の一部を除き、返金されています。令和2年度のレポートはありません。
平成31年度(2019年度)
小田谷嘉弥我孫子市鳥の博物館チュウジシギの分類学的研究のための標本調査ロシア
Cynthia Aderine A.Isla Biodiversity Conservation Inc.ヤンバルクイナとカラヤンクイナの保全に関する情報交換会日本
植村慎吾北海道大学大学院理学院2nd R&D Congress on East Asian-Australasian Flyway for Wetlands and Migratory Birds
関連YouTube(バードリサーチ) ※会議出席のため訪れたフィリピンで撮影された動画内で本助成事業のことが紹介されています。
フィリピン
水野米利子
 >> レポート
東京農業大学大学院The Society for Marine Mammalogy. 2nd World Marine Mammal Science Conference.スペイン
Kinley TENZINブータン王国自然保護学士院ブータン王国における絶滅危惧鳥類シロヘラサギ保全手法研修日本
吉川翠国立科学博物館動物研究部鳥類研究室アッサムモンキーの生息環境と社会の基礎的研究タイ王国
Biak Khun Ayeヤンゴン大学鳥類標識調査の技術研修日本
平成30年度(2018年度)
風間健太郎
 >> レポート
北海道大学水産科学院欧州3か国の養生風力発電施設の視察と鳥類保護・調査研究機関の訪問イギリス等
田中博人東京工業大学 SICB 2019アメリカ
飯島大智東邦大学地理生態学研究室The 27th International Ornithological Congressカナダ
小田谷嘉弥我孫子市鳥の博物館チョウシャクシギの比較分類学的研究のための標本調査ドイツ等
久井貴世北海道大学大学院文学研究科The 27th International Ornithological Congressカナダ
天野一葉滋賀県立琵琶湖博物館The 27th International Ornithological Congressカナダ
斎藤美保京都大学大学院理学研究科野生動物研究センターNorth American Congress for Conservation Biology NACCB 2018カナダ
辻 大和 京都大学霊長類研究所ヒヨケザルの生態調査インドネシア
平成29年度(2017年度)
米澤隆弘復旦大学生命科学学院2017 SMBE(Society for Molecular Biology & Evolution)meetingアメリカ
岡部光太京都市役所文化市民局動物園飼育課13th International Conference of Environmental Enrichmentコロンビア
Zhu Qin中国科学院生態環境研究センター東アジアに生息するガン・ハクチョウ類の繁殖地、中継地及び越冬地間のつながりの解明のための遺伝解析日本
庄子晶子北海道大学大学院水産科学研究院The 6th International Biologging Symposiumドイツ
加藤貴大
 >> レポート
総合研究大学院大学先導科学研究科Behaviour 2017ポルトガル
Catherine Lee-ZuckパラグアイPara La Tierra北海道道北域におけるウミネコを対象とした洋上風力発電の環境影響評価手法の構築日本
平成28年度(2016年度)
鈴木俊貴総合研究大学院大学The 16th congress of the International Society for Behavioral Ecologyイギリス
松井 晋
 >> レポート
環境省羽幌自然保護官事務所The 44th Annual Meeting for the Pacific Seabird groupアメリカ
工藤光平東京大学総合研究博物館ベトナムにおける闘鶏についての社会、形態、運動学的調査ベトナム
平成27年度(2015年度)
鈴木康子オレゴン州立大学魚類野生生物学科第5回国際野生動物管理学術会議日本
村手達佳いであ株式会社生態・保全部第9回アジア猛禽類シンポジウムタイ
渡久地豊国指定屋我地鳥獣保護区カラヤンクイナとヤンバルクイナの保全に関する情報交換フィリピン
小林 篤東邦大学大学院理学研究科第13回国際ライチョウ類シンポジウムアイスランド
小林沙羅東京大学大学院農学生命科学研究科第21回国際海棲哺乳類隔年学会アメリカ
牛山克巳
 >> レポート
美唄市役所International Conference on the Waterfowl Northern Eurasiaロシア
櫻井麗賀兵庫県立大学Behaviour 2015オーストラリア
平成26年度(2014年度)
STERNALSKI, Audreyフランス放射線防護原子力安全研究所IOC2014日本
笠原里恵
 >> レポート
NPO法人バードリサーチAOU・COS・SCO 2014合同会議米国
西沢文吾北海道大学大学院水産科学研究院ハワイ諸島オアフ島におけるコアホウドリの採食生態調査米国
SVENSSON, Lars鳥類学者(スウェーデン)日本鳥類標識協会新潟大会日本
和久大介東京農業大学大学院農学研究科バイオセラピー学科)ラオスにおけるカワウソ亜科保全のための基礎的研究調査ラオス
大槻都子太平洋海鳥グループ日本海鳥保護委員会太平洋海鳥グループ第42回大会米国
平成25年度(2013年度)
郡司 芽久東京大学総合研究博物館国際脊椎形態学会議スペイン
杉田典正(独)国立科学博物館第16回国際コウモリ研究会議コスタリカ
高橋満彦富山大学第20回全米野生動物学会大会アメリカ
松葉史紗子
 >> レポート
東京大学大学院国際生態学会議2013イギリス
本村 健中野市立博物館イギリスにおけるチョウゲンボウの営巣環境調査イギリス
平成24年度(2012年度)
西部 麗東京農工大学ハワイに生息する海鳥4種のプラスチック摂食に関する調査アメリカ
三上かつら特定非営利活動法人バードリサーチ The 14th International Behavioral Ecology Congressスエーデン
B. K. SandercockKansas State University第12回国際ライチョウ・シンポジウム日本
S. Gombobaatarモンゴル国立大学 鳥類標識調査技術研修日本
出口智広山階鳥類研究所The 5th International Albatross and Petrel Conferenceニュージーランド
小林さやか山階鳥類研究所The 27th Annual Meeting of the Society for the Preservation of Natural Historyアメリカ
岩見恭子山階鳥類研究所The 27th Annual Meeting of the Society for the Preservation of Natural Historyアメリカ
平成23年度(2011年度)
西部 麗東京農工大学第38回太平洋海鳥会議アメリカ
高橋満彦富山大学渡り鳥保護条約法会議2011アメリカ
杉森文夫日本鳥類保護連盟日中トキ保護協力会議中国
岡 奈理子山階鳥類研究所The 13th Congress of European Society for Evolutionary Biologyドイツ
遠藤千尋新潟大学25th International Congress for Conservation Biologyニュージーランド
石間妙子新潟大学25th International Congress for Conservation Biologyニュージーランド
菅澤承子東京大学The British Ornithologists' Union Annual Conference 2011: Migratory Birds-ecology & Conservationイギリス
北川珠樹私立武蔵高等学校・中学校ムラビヨフカ公園鳥類の生態調査&繁殖地・渡り中継地としての湿地環境の保全ロシア

令和5年度助成要綱

令和7年度の助成要綱を掲載しました。 助成要綱は→こちらのページをご覧下さい。

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