令和6年度の応募はしめきりました。
野生鳥獣の保護に関する学術及び科学の振興を図ることに資する国際会議等に出席する学者・研究者に対し、主にその渡航費用を助成することを目的としています。現在、(公財)山階鳥類研究所がその事業の一環として本助成事業を行っております。
明治31年(1898年)2月、皇族山階宮菊麿王の第一王子として生まれました。山階鳥類研究所の創設者である山階芳麿博士の実兄です。山階宮武彦王(当時)は海軍航空隊に所属し、自邸で操縦訓練を行うほどの傾倒振りで、空の宮様とも呼ばれました。1947年(昭和22年)、他の宮家とともに皇籍を離脱して山階武彦を名乗りました。
山階武彦は、昭和58年8月17日、民法34条に基づく公益法人として、財団法人山階野生鳥獣保護研究振興財団(略称「鳥獣財団」)を設立しました。鳥獣財団は、前述した学者・研究者に対する海外渡航費用の助成を行うことをその主な目的としました。昭和59年に助成を開始し、平成22年度までの27年間に、合計105人の研究者等に対し総額約4,000万円の助成を行ってきました。
諸般の事情から、鳥獣財団は、平成22年12月3日、(財)山階鳥類研究所(当時)と合併し、解散致しました。今後、鳥獣財団が行ってきた助成事業は(公財)山階鳥類研究所が承継します。永く親しまれてきた助成事業は、創設者の名前にちなんで、今後「山階武彦助成事業」と呼ばれます。
令和6年度山階武彦助成事業の助成対象者は次の方々です。(敬称略、所属は応募当時のもの)
これまでに当事業の助成対象となった方々は次の通りです。(敬称略、所属は応募当時のもの)
氏名 | 所属機関 | 会議・活動名 | 開催国・活動国 |
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令和5年度(2023年度) | |||
池内俊雄 | 日本雁を保護する会 | 20th Meeting of the Goose Specialist Group | モンゴル |
小田谷嘉弥 | 我孫子市鳥の博物館 | Khurkh Bird Ringing Station における鳥類標識調査 | モンゴル |
風間麻未 | うみねこんぶプロジェクト | ウミネココロニーに侵入するドブネズミの侵入経路・時期の特定及び侵入防止策の検討 | 日本 |
田中博人 | 東京工業大学工学院機械系 | IEEE(International Conference on Robotics and Automation 2023) | 英国 |
楢橋真理環 | 九州大学大学院地球社会統合科学府 | ミャンマーでの鳥類の捕獲及びDNAサンプルの採取調査 | ミャンマー |
渡邉拓巳 | 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 | International Congress of Vertebrate Morphology 2023 | オーストラリア |
令和4年度(2022年度) | |||
石郷岡 潤 | Max Planck Institute for Evolutionary Biology | 日本進化学会年大会 | 日本 |
杉浦恭子 | 早稲田大学人間科学学術院動物行動学研究室 | 北海道利尻島におけるオオセグロカモメの人為起源餌の利用が本種の繁殖成績に与える影響の調査 | 日本 |
惣田彩可 | 京都大学理学研究科動物学教室 | Vertual International Ornithological Congress 2022 | 南アフリカ |
辻本大地 | 京都大学大学院農学研究科 | Vertual International Ornithological Congress 2022 | 南アフリカ |
中嶋千夏 | 筑波大学大学院生命地球科学研究群生物学学位プログラム | アラスカ州ミドルトン島におけるウトウとエトピリカの行動生態調査 | アメリカ |
義村弘仁 | 京都大学理学研究科生物科学専攻野生動物研究センター | International Society for Behavioral Ecology Congress 2022 | スウェーデン |
令和3年度(2021年度) | |||
大槻正遼 >> レポート | 早稲田大学人間科学学術院野生動物生態学研究室 | 北海道枝幸町におけるウミネコに対する侵略的外来種アライグマの影響調査 | 日本 |
(注)令和3年度は新型コロナウイルスの影響で調査が中止になり、1名の方が辞退されました。 | |||
令和2年度(2020年度) | |||
原田夏輝 | 東京工業大学工学院 | SICB2021(Virtual Annual Meeting of The Society for Integrative & Comparative Biology) | アメリカ |
(注)令和2年度は新型コロナウイルスの影響で会議や調査が中止になり、7名の方が辞退されました。また、上記の方も会議がオンラインでの開催へ変更になり、学会で使用した費用の一部を除き、返金されています。令和2年度のレポートはありません。 | |||
平成31年度(2019年度) | |||
小田谷嘉弥 | 我孫子市鳥の博物館 | チュウジシギの分類学的研究のための標本調査 | ロシア |
Cynthia Aderine A. | Isla Biodiversity Conservation Inc. | ヤンバルクイナとカラヤンクイナの保全に関する情報交換会 | 日本 |
植村慎吾 | 北海道大学大学院理学院 | 2nd R&D Congress on East Asian-Australasian Flyway for Wetlands and Migratory Birds → 関連YouTube(バードリサーチ) ※会議出席のため訪れたフィリピンで撮影された動画内で本助成事業のことが紹介されています。 | フィリピン |
水野米利子 >> レポート | 東京農業大学大学院 | The Society for Marine Mammalogy. 2nd World Marine Mammal Science Conference. | スペイン |
Kinley TENZIN | ブータン王国自然保護学士院 | ブータン王国における絶滅危惧鳥類シロヘラサギ保全手法研修 | 日本 |
吉川翠 | 国立科学博物館動物研究部鳥類研究室 | アッサムモンキーの生息環境と社会の基礎的研究 | タイ王国 |
Biak Khun Aye | ヤンゴン大学 | 鳥類標識調査の技術研修 | 日本 |
平成30年度(2018年度) | |||
風間健太郎 >> レポート | 北海道大学水産科学院 | 欧州3か国の養生風力発電施設の視察と鳥類保護・調査研究機関の訪問 | イギリス等 |
田中博人 | 東京工業大学 | SICB 2019 | アメリカ |
飯島大智 | 東邦大学地理生態学研究室 | The 27th International Ornithological Congress | カナダ |
小田谷嘉弥 | 我孫子市鳥の博物館 | チョウシャクシギの比較分類学的研究のための標本調査 | ドイツ等 |
久井貴世 | 北海道大学大学院文学研究科 | The 27th International Ornithological Congress | カナダ |
天野一葉 | 滋賀県立琵琶湖博物館 | The 27th International Ornithological Congress | カナダ |
斎藤美保 | 京都大学大学院理学研究科野生動物研究センター | North American Congress for Conservation Biology NACCB 2018 | カナダ |
辻 大和 | 京都大学霊長類研究所 | ヒヨケザルの生態調査 | インドネシア |
平成29年度(2017年度) | |||
米澤隆弘 | 復旦大学生命科学学院 | 2017 SMBE(Society for Molecular Biology & Evolution)meeting | アメリカ |
岡部光太 | 京都市役所文化市民局動物園飼育課 | 13th International Conference of Environmental Enrichment | コロンビア |
Zhu Qin | 中国科学院生態環境研究センター | 東アジアに生息するガン・ハクチョウ類の繁殖地、中継地及び越冬地間のつながりの解明のための遺伝解析 | 日本 |
庄子晶子 | 北海道大学大学院水産科学研究院 | The 6th International Biologging Symposium | ドイツ |
加藤貴大 >> レポート | 総合研究大学院大学先導科学研究科 | Behaviour 2017 | ポルトガル |
Catherine Lee-Zuck | パラグアイPara La Tierra | 北海道道北域におけるウミネコを対象とした洋上風力発電の環境影響評価手法の構築 | 日本 |
平成28年度(2016年度) | |||
鈴木俊貴 | 総合研究大学院大学 | The 16th congress of the International Society for Behavioral Ecology | イギリス |
松井 晋 >> レポート | 環境省羽幌自然保護官事務所 | The 44th Annual Meeting for the Pacific Seabird group | アメリカ |
工藤光平 | 東京大学総合研究博物館 | ベトナムにおける闘鶏についての社会、形態、運動学的調査 | ベトナム |
平成27年度(2015年度) | |||
鈴木康子 | オレゴン州立大学魚類野生生物学科 | 第5回国際野生動物管理学術会議 | 日本 |
村手達佳 | いであ株式会社生態・保全部 | 第9回アジア猛禽類シンポジウム | タイ |
渡久地豊 | 国指定屋我地鳥獣保護区 | カラヤンクイナとヤンバルクイナの保全に関する情報交換 | フィリピン |
小林 篤 | 東邦大学大学院理学研究科 | 第13回国際ライチョウ類シンポジウム | アイスランド |
小林沙羅 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 | 第21回国際海棲哺乳類隔年学会 | アメリカ |
牛山克巳 >> レポート | 美唄市役所 | International Conference on the Waterfowl Northern Eurasia | ロシア |
櫻井麗賀 | 兵庫県立大学 | Behaviour 2015 | オーストラリア |
平成26年度(2014年度) | |||
STERNALSKI, Audrey | フランス放射線防護原子力安全研究所 | IOC2014 | 日本 |
笠原里恵 >> レポート | NPO法人バードリサーチ | AOU・COS・SCO 2014合同会議 | 米国 |
西沢文吾 | 北海道大学大学院水産科学研究院 | ハワイ諸島オアフ島におけるコアホウドリの採食生態調査 | 米国 |
SVENSSON, Lars | 鳥類学者(スウェーデン) | 日本鳥類標識協会新潟大会 | 日本 |
和久大介 | 東京農業大学大学院農学研究科バイオセラピー学科) | ラオスにおけるカワウソ亜科保全のための基礎的研究調査 | ラオス |
大槻都子 | 太平洋海鳥グループ日本海鳥保護委員会 | 太平洋海鳥グループ第42回大会 | 米国 |
平成25年度(2013年度) | |||
郡司 芽久 | 東京大学総合研究博物館 | 国際脊椎形態学会議 | スペイン |
杉田典正 | (独)国立科学博物館 | 第16回国際コウモリ研究会議 | コスタリカ |
高橋満彦 | 富山大学 | 第20回全米野生動物学会大会 | アメリカ |
松葉史紗子 >> レポート | 東京大学大学院 | 国際生態学会議2013 | イギリス |
本村 健 | 中野市立博物館 | イギリスにおけるチョウゲンボウの営巣環境調査 | イギリス |
平成24年度(2012年度) | |||
西部 麗 | 東京農工大学 | ハワイに生息する海鳥4種のプラスチック摂食に関する調査 | アメリカ |
三上かつら | 特定非営利活動法人バードリサーチ | The 14th International Behavioral Ecology Congress | スエーデン |
B. K. Sandercock | Kansas State University | 第12回国際ライチョウ・シンポジウム | 日本 |
S. Gombobaatar | モンゴル国立大学 | 鳥類標識調査技術研修 | 日本 |
出口智広 | 山階鳥類研究所 | The 5th International Albatross and Petrel Conference | ニュージーランド |
小林さやか | 山階鳥類研究所 | The 27th Annual Meeting of the Society for the Preservation of Natural History | アメリカ |
岩見恭子 | 山階鳥類研究所 | The 27th Annual Meeting of the Society for the Preservation of Natural History | アメリカ |
平成23年度(2011年度) | |||
西部 麗 | 東京農工大学 | 第38回太平洋海鳥会議 | アメリカ |
高橋満彦 | 富山大学 | 渡り鳥保護条約法会議2011 | アメリカ |
杉森文夫 | 日本鳥類保護連盟 | 日中トキ保護協力会議 | 中国 |
岡 奈理子 | 山階鳥類研究所 | The 13th Congress of European Society for Evolutionary Biology | ドイツ |
遠藤千尋 | 新潟大学 | 25th International Congress for Conservation Biology | ニュージーランド |
石間妙子 | 新潟大学 | 25th International Congress for Conservation Biology | ニュージーランド |
菅澤承子 | 東京大学 | The British Ornithologists' Union Annual Conference 2011: Migratory Birds-ecology & Conservation | イギリス |
北川珠樹 | 私立武蔵高等学校・中学校 | ムラビヨフカ公園鳥類の生態調査&繁殖地・渡り中継地としての湿地環境の保全 | ロシア |
山階武彦助成事業の助成を受けた方の活動レポートからご紹介します。
令和6年度の助成応募はしめきりました。 助成要綱は→こちらのページをご覧下さい。