2025年1月15日掲載
皆様におかれましては、佳い新年を迎えられたことと存じます。
日頃より、山階鳥類研究所の活動に対し、ご理解とご支援をいただき誠にありがとうございます。
昨年は、パリオリンピック・パラリンピックで日本人選手が多くのメダルを獲得しました。そして、日本被団協がノーベル平和賞を受賞、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がアメリカの野球史に残る大活躍など、素晴らしいニュースがありました。一方で、正月早々の能登半島で地震がありました。そのほかにも、気候変動の影響で、豪雨の発生や猛暑による被害などがありました。温室効果ガスにより、地球規模でハリケーン、森林火災、洪水などなど大きな被害がもたらされています。それらは生態系にも徐々に影響を及ぼしています。これらは長年、人類が化石燃料を使い、環境破壊をしてきた結果であり、当分の間、われわれはその代償を支払わなければならないのが現実です。
さて、鳥類の研究や保護に顕著な功績があった方を顕彰する山階芳麿賞は今回、国立極地研究所名誉教授である内藤靖彦博士に贈呈しました。世界に先駆けバイオロギング研究を立ち上げて、鳥類の生態系の調査に多大なる貢献をされたことが評価されました。7月にグランドハイアット東京で開催された東日本・中部日本地区賛助会員の集いの冒頭、山階鳥類研究所総裁の秋篠宮皇嗣殿下より同賞が贈呈されました。そして、内藤博士らによる公開シンポジウムが東京大学弥生講堂で9月に開催されました。また、1924年から始まった日本の鳥類標識調査100年記念公開シンポジウムが11月に東京農大の講堂で開催されました。
昨年はトピックスとして、我孫子市鳥の博物館と共催の企画展「山階芳麿博士の作った図鑑―『日本の鳥類と其の生態』ができるまで―」を7月13日から11月4日まで開催しました。また、研究所のスタッフの共著で『足環をつけた鳥が教えてくれること』が山と渓谷社から11月に刊行されました。
山階鳥類研究所は今年も鳥の研究を通じて、自然環境の保護・保全、生物多様性の維持などを目指して、地球に貢献していく所存です。
引き続き、ご支援を賜りたくお願い申し上げます。この一年が皆様にとって、有意義な年になりますようお祈り申し上げます。
山階鳥類研究所 理事長 壬生基博