2020年1月7日掲載
賛助会員の皆様、ご支援いただいている皆様、新年おめでとうございます。旧年中は当研究所の活動を支えていただき、誠にありがとうございました。
昨年は「令和」と元号が改められ、新天皇がご即位され、日本にとってめでたい年でした。が、大型台風、洪水など気候変動によると思われる自然災害が増え、被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
皇嗣になられた秋篠宮殿下には、ご公務がより厳しくなるにもかかわらず、山階鳥研ではひきつづき総裁をお続けいただくことになり、所長としてたいへん感激しております。
山階鳥研は、昨年、新たな事務局長と研究員を迎えました。彼らをふくめ、研究員、専門員、職員と、理事、フェロー、特任研究員、非常勤の方々の努力で、昨年も従来からの研究、保存、保全活動を継続できました。
さらに玉川学園の「ジョン・グールドの鳥類図譜」展に特別協力し、同大学所蔵の図譜に山階鳥研の所蔵品を加えて国内最大の展示が実現されました。玉川大学教育博物館、関係者の方々にあらためて感謝します。また、京都嵐山で行われた日本鵜飼(うかい)サミットに特別協力し、今年は同地にウミウ生態展示施設が開設されます。
保全活動では、鳥島から聟島(むこじま)へ移送したアホウドリによる新しい繁殖地の形成も順調に進み、沖縄ではヤンバルクイナの研究や保全活動が、この地域の世界自然遺産登録への動きを後押ししています。
これらのことは、広報コミニュケーション・ディレクターの努力で、多くのテレビ、新聞、SNSでとりあげていただけました。
今年は、所在地の我孫子市とともに実施してきたジャパン・バード・フェステイバルが20周年を迎えます。また、協力を続けてきた兵庫県・豊岡市ではコウノトリみらい国際会議が開催され、野生復帰以降の新たな展開を世界の人々とともに探ります。
当研究所は小さくとも、「とり学」での世界トップの研究成果をめざします。しかしながら、研究所の施設・収蔵庫、書庫は老朽化しており、その緊急の対応と、歴史資料の整理、標本の保存・公開、また鳥類保護活動の展開には、皆様からの寄付・会費による以外にありません。どうか今年も、旧年にまして物心両面でのご支援を切にお願いします。
オリンピックイヤーの本年、スポーツとともに、文化、学術の振興、環境保全が深まることを願い、皆様方のご健康、ご多幸を心からお祈りしています。
山階鳥類研究所 所長 奥野卓司
(山階鳥研NEWS 2020年1月号より)