2022年10月5日掲載
2022(令和4)年6月をもって奧野卓司 所長が退任し、7月から、小川博 東京農業大学名誉教授が山階鳥研の新しい所長に就任しました。奥野 前所長はシニアフェローとして引き続き鳥学の文化的側面の指導・助言を担います。
平成27年4月に当研究所の副所長に、また平成29年4月に林良博 博士の後を受け、5代目の所長に就任しましたが、このたび所長を小川博 博士と交代していただきました。この間、賛助会員、特別法人会員を始めとする皆様から頂きましたご支援に心から感謝申し上げます。
鳥類学者、生物系学者ではない、初めての文化系出身の所長として、この職務がつとまるのか不安でしたが、幸い支援者の皆様のご好意や研究所役員、所員、職員たちにささえていただき、なんとかここまで来ることができ嬉しく思っております。
とくに、この3年間はCOVID-19の影響を受け、フィールドでの調査、保全活動や、複数の所員が共同しての研究についても、何度も制限をせざるをえず、また全国各地で皆様からご意見を直接お伺いする機会であった賛助会員の集いを開催することができず、悔しい思いもいたしました。が、その中でオンラインでの講座、所員会議や科学研究費の研究成果発表会を行ったこと、所蔵標本、資料の画像データベースの蓄積・公開、SNSでの情報発信などの試みが進み、研究・公開の新しい可能性を開くこともできました。
しかし、所長就任の当初に目指した文理の壁を越えた、より広い総合的な「とり学」の構築にはいまだ至っておりません。今後は、小川 新所長と研究者たちに、統合された研究部門で、当研究所所蔵の資料を使って、他の研究機関、研究者との連携、いっそう社会に開かれた研究所への進展を託したいと思います。私自身も引き続きシニアフェローとして、文化系、芸術学系からの鳥と人間の関係に関する研究を続け、微力ながら当研究所に貢献していければと思っております。
賛助会員の皆様方におかれましては山階鳥類研究所へのなおいっそうのご支援、ご理解をお願いするしだいです。
公益財団法人山階鳥類研究所 奥野卓司