組織サンプルの提供について
山階鳥類研究所(以下、「研究所」)では、鳥類の組織サンプルを収集し、保存しています。これらのサンプルはおもにDNAの抽出を目的として収集していますが、学術研究に役立てていただくため、サンプルを提供しています。
組織サンプルの種類は、死体から採取された筋肉や生体から採取された血液、拾われた羽毛など様々なものがあります。また、血液や筋肉の多くはエタノール保存されていますが、エタノール以外の緩衝液を用いたものなど、様々な保存方法がとられています。さらに、それらの組織サンプルから抽出されたDNAサンプルも管理保存しています。
研究所では、組織サンプルを提供する際の利便性を図るため、保存しているサンプルのリストを公開していますので活用ください。
リストに公開されたサンプルであっても、利用申請に基づいて精査した結果、諸々の条件により、サンプルを提供できない場合があります。
研究所が研究に利用中のサンプルは、提供できない場合もあります。
審査(下記『利用の手順』参照)は、原則として毎月第一水曜日に数名の審査員で行います。申請書の提出タイミングによっては回答が遅くなることもありますのでご留意ください。
ご希望の際は下記の「利用上の注意」「利用の手順」をご確認の上、お申込みください。
利用上の注意
組織サンプルあるいはDNAサンプルの提供を受けた者は以下の条件に同意したものとみなします。
- 1.研究所に提出した利用目的以外に提供サンプルを利用しない。
- 2.研究所および利用者以外の研究者、機関へ提供サンプルを譲渡しない。
- 3.提供サンプルを商業的に利用しない。
- 4.研究成果を論文、著書、学会発表、講演等で公表する際には研究所への謝辞を含める。
- 5.利用者が提供サンプルによる研究成果を論文や著書等に公表した場合には、研究所に別刷りを送付する。
- 6.利用者が提供サンプルを用いてDNAの塩基配列を解読した場合は、利用者はDDBJ等の遺伝子データバンクに登録し、研究所にアクセッション番号を報告する。
- 7.利用者は提供サンプルの残分や利用可能な試料(DNA、スライドなど)を研究所に返却する。また、利用者は返却した試料を研究所が利用することに同意する。
- 8.研究所は、提供サンプルについて、種の誤同定、採集地情報等の誤り、提供サンプル送付の遅延、提供サンプルの不具合などが生じないよう努力するが、誤りは起こりうる。研究成果の最終的な責任は利用者にあることを理解する。
- 9.サンプルの種類(どの組織か、あるいはDNAか)は、申請書に書かれた希望に沿えるよう配慮はするが、研究計画上DNAが必要であると判断できれば、組織ではなく、DNAサンプルから優先的に提供するなど、研究所の都合でサンプルを選びうることを了承する。
利用の手順
山階鳥類研究所ではサンプルを提供するに値するかどうかを申請書の記載によって審査の上、決定します。審査の際には、サンプルを用いた研究の目的(意義)が重要視されますが(「項目2-3)」でご回答ください)、申請者自身が該当研究のためにこれまで行ってきたサンプル収集の実績(努力量)と、これ以上申請者自身がサンプルを収集できない理由、そこへ山階鳥類研究所のサンプルが加わることの効果(貢献度)等も重要視されますので、ご留意ください(「項目2-4)」)でご回答ください)。
- 1.サンプル利用を希望する人は、下記リンクから「組織サンプル公開リスト」を参照して希望する種のサンプルがあるかどうか予め確かめてください。
CITES掲載種のサンプルを海外へ輸送することはできませんのでご注意ください。
- 2.下記の1)〜6)の項目を含む組織サンプル利用申請書を作成してください。なお、下記項目1)〜2)については、記入フォームを用意していますので、下記リンクから「組織サンプル利用申請書」をダウンロードし、埋めてください。下記項目3)〜6)については、項目ごとにA4別紙1〜2ページ程度を作成してください。これらの申請書をまとめて下記受付宛てに電子メールの添付ファイル(Word形式等)でお送りください。
- 1) 研究責任者および研究体制
- 2) 希望する試料(サンプルIDと必要量)
- 3) 研究の目的、方法、期待される結果(研究財源も明らかにしてください)
- 4) 研究のためのサンプル収集計画と、サンプル収集計画における山階鳥類研究所サンプルの貢献度について
- 5) 研究責任者の履歴(該当研究に関わる研究実績を含む)
- 6) 本申請に関係することで、これまで申請者が行ってきた研究内容が分かるような参考文献があれば、その文献リスト