山階鳥類研究所概要

DNA

2023年11月15日掲載

希少鳥類のDNA研究

生息数が少ない希少鳥類では、一般に遺伝的多様性が乏しい傾向が見られ、病気や環境変化に対する抵抗力が減少している恐れがあります。しかし、日本の希少鳥類ではこのような基礎的なデータが不足しています。独)水資源機構や兵庫医科大学の協力を得て、希少鳥類の血液や羽毛からDNA塩基配列を解読しています。このデータをもとに遺伝的多様性を明らかにし、希少鳥類の回復を妨げている問題を探っています。


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DNAバーコーディング

鳥類は動物の中で最も分類学的研究が進んでいるグループの一つですが、それでも時には種の同定が難しい場合があります。特に、形態が似通っている種同士や、幼鳥、体の一部分からの種同定は、分類の専門家でも同定が難しいことが多々あります。そこで、そのような時に役に立つのが「DNAバーコーディング」です。この技術は、ある特定の短いDNA配列と、証拠となる標本をもとにして種を簡便に同定する試みで、現在、世界中の研究機関で鳥類全種約1万種を対象として解析が行われています。山階鳥類研究所は、国立科学博物館と共同で、日本産鳥類種全種の解析を目指して、現在分析を進めています。


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