東南アジアの越冬地からセンダイムシクイが到着しました

山階鳥研のある我孫子でも新緑がまぶしい季節となり、今日は初夏のような天候でした。
 
今日は建物の裏山でセンダイムシクイのさえずりが聞こえました。センダイムシクイはスズメよりやや小さい、黄緑色の小鳥で、ユーラシアの東端と日本で繁殖し、東南アジアで越冬します。
 
今日は2羽か3羽程度のさえずりが聞こえましたが、彼らは越冬地の東南アジアから到着したばかりの個体なのだと思います。おそらく、明日には裏山からいなくなり、さらに北上し、日本国内かもしれませんし、さらに大陸に渡るのかもしれませんが、どこかの山地の森林で繁殖するのでしょう。
 
前もこのブログで書きましたが、センダイムシクイのさえずりは、カタカナで書くと「チヨチヨビーィ」といったふうに書けますが、このさえずりは「焼酎一杯ぐいー」と「聞きなし」されます。「聞きなし」というのは、鳥の鳴き声を、意味のある人の言葉を言っているように聞くことです。

今日のセンダイムシクイの録音を貼っておきますので聞いてみてください。センダイムシクイのさえずりは1秒、10秒、20秒あたりの3回聞こえます。ほかにヤマガラ、メジロ、ハシブトガラスの声が入っています。

センダイムシクイのさえずり(2023年4月20日、山階鳥研。ノイズリダクションと増幅済み)

※ 写真にはセンダイムシクイは写っていません。

東京駅前で開催中の特別展示『極楽鳥』

山階鳥研の標本が多数見られます



開館十周年を迎えた東京大学総合研究博物館インターメディアテクでは、鳥をモチーフとした宝飾芸術の歴史的名品を、鳥の剥製標本をはじめ一級の自然誌標本および研究資料とあわせて展示しています。鳥をモチーフにした素晴らしいブローチなどが多数ご覧いただけます。

山階鳥研はこの展示に協力しており、山階鳥研の所蔵する剝製標本が、東京大学総合研究博物館に寄託されている標本も含め多数展示されています。美しい宝飾品と、実際の美しい鳥たちの競演をお楽しみください。

インターメディアテク
開館十周年記念特別展示『極楽鳥』

【日時】開催中〜5月7日(日)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)、その他館が定める日
【会場】 JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
【入館料】 無料
【主催】 東京大学総合研究博物館+レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校
【協力】 山階鳥類研究所  【協賛】ヴァン クリーフ&アーペル
【企画】 東京大学総合研究博物館インターメディアテク寄付研究部門+東京大学総合研究博物館国際デザイン学寄付研究部門
※ 詳細はインターメディアテク展示ページをご覧ください。
【関連イベント】 関連のレクチャーが開催されます。詳細はインターメディアテクのレクチャーページをご覧ください。

森本研究員が監修した『知って楽しいカワセミの暮らし』が出版されました。

所員の著書をご紹介します。

カワセミ類の生態や特徴について全体像から日本産カワセミ類各種のこと、さらにはカワセミが暮らす河川や水環境、人との関わりに関する話題まで、まとめて知ることが出来るありそうでなかった1冊です。著者である笠原氏のフィールドである長野県千曲川での話題を中心としながらも、日本や欧州でのカワセミの渡りや、河川の維持管理・環境保全といったさまざまな話題を紹介しています。

森本元研究員が監修を務めるとともに構造色とバイオミメティクスに関するコラムも執筆しています。是非書店でお求めください。各販売サイトでもご購入いただけます。

<書籍情報>
書名: 知って楽しいカワセミの暮らし
著者: 笠原 里恵
監修: 森本 元
発行:緑書房 版元サイト
判型/頁:四六判/328頁
定価:2,420円(税込)
発行日:2023年4月5日

*山階鳥研ウェブサイト「所員の著書」ページもあわせてご覧ください。 → こちら

献本ありがとうございます。「人類を熱狂させた鳥たち 食欲・収集欲・探究欲の1万2000年」

出版社から広報に献本いただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

ティム・バークヘッド(著)黒沢令子(訳)
人類を熱狂させた鳥たち 食欲・収集欲・探究欲の1万2000年

築地書館, 東京. (2023年3月29日発行, 口絵8ページ+本文404ページ. 3,520円 (本体:3,200円). ISBN-978-4-8067-1647-1)
→ 版元ページはこちら

献本ありがとうございます。「別冊暮しの手帖 健康と暮らし特別付録「散歩の楽しみ 日本の花 日本の鳥」」の制作に際し協力をしました。

特別付録の冊子制作に際し、広報などで協力をし、出版社から広報に献本いただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

暮しの手帖社 別冊編集部
別冊暮しの手帖 健康と暮らし 特別付録「散歩の楽しみ 日本の花 日本の鳥」

暮しの手帖社, 東京. (2023年3月22日発行, 112ページ. 1,500円 (本体:1,364円). )
→ 版元ページはこちら

献本ありがとうございます。「BIRDER SPECIAL 羽毛恐竜完全ガイド」

出版社から広報にお送りいただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

BIRDER編集部(編)
BIRDER SPECIAL羽毛恐竜完全ガイド

文一総合出版, 東京. (2023年3月14日発行, 104ページ. 2,750円 (本体:2,500円). ISBN-978-4-8299-7513-8)
→ 版元ページはこちら

森本研究員が翻訳・監修した『いのちの惑星、地球。Fly with Me 〜不思議で美しい鳥の世界〜』が出版されました。

所員の著書をご紹介します。

ナショナルジオグラフィックの動物写真図鑑「いのちの惑星、地球。」シリーズの第3弾で、既刊の哺乳類と海洋生物に続き、本書は鳥を扱っています。

大きな写真やイラストと共に、野鳥に関する様々な話題が盛り込まれています。鳥の形態や機能、欧米で身近な野鳥の紹介、足の速さや体の大きさといったさまざまな世界一の鳥種はどれかなどの解説に加え、ある研究者のストーリーや、世界の鳥の童話、庭への鳥の招き方など、多くの話題を収録しています。森本元研究員が翻訳・監修しています。

是非書店でお求めください。各販売サイトでもご購入いただけます。

<書籍情報>
書名: いのちの惑星、地球。Fly with Me 〜不思議で美しい鳥の世界〜
著者: ジェーン・ヨーレン/ハイジ・ステンペル/アダム・ステンペル/ジェイソン・ステンペル
翻訳・監修: 森本 元
発行:エムディエヌコーポレーション 版元サイト
判型/頁:B4変形判/192頁
定価:3,080円(税込)
発行日:2023年3月17日

*山階鳥研ウェブサイト「所員の著書」ページもあわせてご覧ください。 → こちら

ヤンバルクイナが好きな高校3年生が来所しました

尾崎副所長(右)、麗香さん(中央)とお母さん

3月13日、高校3年生の白井麗香さんがお母さんと一緒に来所されました。白井さんはヤンバルクイナが大好きで、高校でヤンバルクイナを研究テーマとして、絶滅危惧種の生態や保護活動及び環境問題について探究する中で、山階鳥類研究所に連絡をいただいたことから、本種を長年研究している尾崎副所長が回答しました。尾崎副所長からは、まず自分でどのように調べるかということをアドバイスし、白井さんがご自分で調べて分からない点については尾崎副所長がお答えしました。

白井さんは今春、東邦大学理学部に入学が決まったそうで、大学でも絶滅危惧種の研究を希望しています。引き続き有意義な研究ができることをお祈りします。

ガン類の渡り調査/鳥類標識調査小冊子・見学会/皇居・赤坂御用地でオオタカ・フクロウが繁殖ほか「山階鳥研NEWS」2023年3月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2023年3月号(No.306)をご紹介します。

冒頭ではガン類の渡り調査についての話題。山階鳥研と雁の里親友の会は、絶滅危惧種のガン類であるコクガンとカリガネの生態解明のため、発信器の装着などにより調査を進めています。これらの調査から得られるデータを蓄積して解析することにより、鳥の保全や生息環境の保護に役立つことが期待されています。

鳥類標識調査の話題が続きます。トヨタ環境活動助成プログラムの助成を受けて標識調査についてより多くの方に知っていただくための小冊子を作成し、また、鳥類標識調査の現場を見ていただく見学会を行いました。小冊子「渡り鳥の不思議を調べてみよう!鳥類標識調査の世界」はリンク先でもご覧いただけます。

新装なった福島潟ステーションの話題や、皇居や赤坂御用地の調査で確認されたオオタカ・フクロウの繁殖の話題も掲載しました。

巻末の鳥のモニュメントは、山階鳥研の地元、千葉県我孫子市の手賀沼沿いにある、斎藤茂吉の歌碑「電車に乗って雁を見に来た」です。

賛助会員のみなさまには、令和4年賛助会員名簿をお届けしています。

その他、イベント告知やイベント報告なども掲載しました。

「山階鳥研NEWS」2023年3月号(第306号) 目次(敬称略)
1面
 表紙写真(ベニマシコ) 賛助会員 野元彰
2面 絶滅危惧種のガン類の渡り調査
3面 鳥類標識調査小冊子作成、見学会を開催/新装なった福島潟ステーション
4面 皇居と赤坂御用地でオオタカとフクロウの繁殖が確認/山階鳥学セミナー捕獲技術入門編
5面 日豪中韓渡り鳥等保護協定等会議に参加/中西悟堂氏ご息女が山階鳥研を訪問
6面 芝浦工業大学柏中学高等学校と教育連携協定を締結/環境省自然局長が来所
7面 JBF2022 会場開催/全日本バードカービングコンクール山階鳥研所長賞
8面  鳥のサイエンストーク/所員の著書/鳥のモニュメント/事務局から(賛助会員・ご寄附)/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
* 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
* 山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

こちらも合わせてごらんください。
山階鳥研ウェブサイト イベント情報ページ

韓国から環境地理学の研究者が来所しました

左から水田 自然誌・保全ディレクター、平岡 広報ディレクター、チェ研究教授、尾崎副所長、仲村研究員

2月3日、韓国科学技術院(KAIST)で環境地理学を専攻するチェ・ミョンエ(崔明愛)研究教授が山階鳥研を訪れました。来訪の目的は、日韓両国の鳥類学者の過去と現在の交流についての情報収集で、山階鳥研の尾崎清明 副所長、水田拓 自然誌・保全ディレクター、仲村昇 研究員、平岡考 広報ディレクターが対応しました。