韓国の国立野生動物疾病管理院と鳥インフルエンザに関連する渡り鳥追跡のための協定を締結しました

調印式後の記念撮影 (前列、左から)イ・スウン チーム長、シン 院長、峰崎善次 事務局長、尾崎清明 副所長(後列、左から)水田拓 自然誌・保全研究ディレクター、イ・シワン 韓国環境生態研究所所長、チョン・ソル 研究員、イ 研究員、澤 研究員

6月20日、韓国の国立野生動物疾病管理院(NIWDC)から、シン・ドンイン 院長ら5名が山階鳥研に来所し、調印式を行いました。

韓国の国立野生動物疾病管理院(NIWDC:National Institute of Wildlife Disease Control and Prevention)は鳥インフルエンザに関連する種の追跡プロジェクトを立ち上げています。韓国国内だけでなく、モンゴルなどの周辺国とも共同研究を実施しています。今回締結した協定により、今後5年間程度、鳥インフルエンザとの関連が考えられるガンカモ類やツル類などの渡り鳥を継続して追跡調査し、情報を共有する予定です。当日は、調印式に先立ってセミナーが開催され、イ・ソンミ 研究員からは追跡プロジェクトの概要について、澤祐介 研究員からはガン類における近年の追跡調査についての講演があり、双方の意見交換を行いました。

献本ありがとうございます。「無人島、研究と冒険、半分半分。」

出版社を通じて著者から広報に献本いただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

川上和人(著)
「無人島、研究と冒険、半分半分。」

東京書籍, 東京. (2023年8月29日発行 312ページ. 1,760円(本体:1,600円). ISBN-978-4-487-81714-6)
→ 版元ページはこちら 

献本ありがとうございます。「世界を翔ける翼ー渡り鳥の壮大な旅ー」

出版社から広報に献本いただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

スコット・ワイデンソール(著)樋口広芳(監訳)岩崎晋也(訳)
「世界を翔ける翼ー渡り鳥の壮大な旅ー」

化学同人, 京都. (2023年8月20日発行 464ページ. 4,180円(本体:3,800円). ISBN-978-4-7598-2098-0)
→ 版元ページはこちら

8月10日(木)は一斉休業します

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その2回目を 8月10日(木)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

献本ありがとうございます。「クマタカ生態図鑑」

出版社から広報に献本いただきました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

若尾親(著)山崎亨(監)
クマタカ生態図鑑

平凡社, 東京. (2023年3月24日発行, 初版第2刷 2023年7月12日 600ページ. 8,800円 (本体:8,000円). ISBN-978-4-582-54268-4)
→ 版元ページはこちら

7月18日(火)は一斉休業します

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その1回目を 7月18日(火)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

山階芳麿博士、誕生日おめでとうございます

オランダ王室のベルンハルト殿下(左)から勲章を受ける山階芳麿(中央)
(1978年6月24日、ソスティダイク離宮(オランダ)、山階鳥研所蔵写真)

山階鳥研の創立者、山階芳麿は、123年前の今日、1900年7月5日に当時の東京市麹町で生まれ、鳥類の研究と保護に一生を捧げました。

戦前にはアジア・太平洋地域の鳥類の分類学に多大な貢献をした山階芳麿でしたが、戦後は鳥類保護に力点を移し、日本の鳥類保護のリーダーとして、国際的な保護団体の役職にも就いて、日本およびアジアの鳥の保全のために尽力しました。

77歳になっていた1978年6月には当時副会長を務めていた国際鳥類保護会議(ICBP、後のバードライフインターナショナル)の総会出席などのために3週間以上の訪欧の旅に出ています。ユーゴスラビアのオフリドで開催された同会議ですが、その実行委員会では、ICBPの将来や、IUCN(国際自然保護連合)、WWF(世界野生生物基金、現在の世界自然保護基金)との協力について討議しました。

さらにジュネーブのIUCN本部で、アジア、太平洋地域の問題点やワシントン条約の現状について説明を聞いており(日本はワシントン条約に1973年に署名しましたが当時まだ批准していませんでした)、WWF本部で同団体の現状や日本との関係、ICBPとの関係について話し合っています。

ユーゴスラビアに先だって訪れたベルリンでは、世界規模の鳥類学の研究集会である国際鳥類学会議(IOC)に参加したほか、分類学者であった山階芳麿は、コペンハーゲンやライデンの自然史博物館で日本関係の鳥類標本も閲覧しました。

山階芳麿の尽力は国際的にも評価されていました。さまざまの仕事をこなした訪欧の最後の目的地はオランダのアムステルダムで、ここで、オランダ王室のゴールデンアーク勲章(金の箱舟勲章)の最高位であるコマンドール勲章をベルンハルト殿下から授与されました。この勲章は国際的に動植物の保護に貢献した人に贈られるものです。1977年にICBPから贈られたジャン・デラクール賞に続いて2つ目の国際的な顕彰となりました。

* 山階鳥研では、この写真も含め、従来、整理の手が回っていなかった、古い書類、書簡、写真などの資料類の整理に着手しています。
* この記事の記述はおもに「山階芳麿の生涯」(青木営治(編)、1982)によりました。

アホウドリ繁殖状況2022-23/昆明・モントリオール生物多様性枠組(2)/富士山における鳥類研究/シジュウカラガンの渡り経路と繁殖地新知見ほか「山階鳥研NEWS」2023年7月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2023年7月号(No.308)をご紹介します。

冒頭ではアホウドリ鳥島と聟島の新繁殖地における繁殖状況について最新の情報を掲載しました。また、シジュウカラガンの渡り経路と繁殖地新知見についても掲載し、これら2件について、山階鳥研はそれぞれ報道発表を行っております。

続いて所員エッセー。多様な自然環境を持つ富士山での鳥類研究をライフワークとしている森本研究員による「富士山における鳥類研究のこれまでと展開」。

環境省野生生物課の中澤圭一課長による連載「昆明・モントリオール生物多様性枠組」は第二回目。新枠組が決められるまでにどのような検討過程を経たのかについてお話いただきました。

巻末の鳥のモニュメントは、富山市にある「白いタカの導き 佐伯有頼少年像」です。

その他、サントリー世界愛鳥基金アホウドリの普及啓発活動に助成が贈られる話題、バンディングかわら版第6号発行、令和4年度寄附金・賛助会員についてのご報告や、イベント告知・レポートなども掲載しました。

2023年7月号(第308号) 目次(敬称略)
1面
 表紙写真(オオバン) 賛助会員 孝橋貞樹
2面 アホウドリ2022-2023 繁殖状況
3面 所員エッセー 富士山における鳥類研究のこれまでと展開 研究員 森本元
4-5面 昆明・モントリオール生物多様性枠組について(その2)検討過程 環境省 自然環境局 野生生物課長 中澤圭一
6面 サントリー世界愛鳥基金アホウドリの普及啓発活動に助成/バンディングかわら版第6号発行/シジュウカラガンの渡り経路と繁殖地を初めて明らかに/所員の著書
7面 令和4年度寄附金・賛助会費・会員数の報告/Enjoy手賀沼!バードウィーク手賀沼探鳥会/講演と展示協力イベント告知/協力調査員表彰
8面 鳥のサイエンストーク/展示協力・活動報告/鳥のモニュメント/事務局から(賛助会員・ご寄附/新型コロナウイルス感染症対応について/所内見学会再開)/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
* 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
* 山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

こちらも合わせてごらんください。
山階鳥研ウェブサイト イベント情報ページ
山階鳥研ウェブサイト プレスリリースページ

献本ありがとうございます。「Wildlife, landscape use and society: regional case studies in Japan」

著者の、森林総合研究所元上席研究員/長崎大学元教授の杉村乾(すぎむら・けん)さんからご寄贈いただきました。

5月10日、杉村さんが、東京大学元准教授の石田健さんと来所され、本書をご寄贈くださいました。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

左から、石田健さん、杉村乾さん、鶴見みや古文化資料ディレクター、水田拓自然誌・保全研究ディレクター

Ken Sugimura 杉村乾(著)
Wildlife, landscape use and society: regional case studies in Japan

Routledge, London. (2021年3月9日発行, 本文195ページ. £130.00. ISBN-978-0-367-33381-2)
→ 版元ページはこちら

昆明・モントリオール生物多様性枠組(1)/80年前のビショップ博物館との交流/山階武彦助成事業活動レポートほか「山階鳥研NEWS」2023年5月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2023年5月号(No.307)をご紹介します。

冒頭では「昆明・モントリオール生物多様性枠組」についての第一回目。新型コロナウイルス感染症流行の影響から延期されていた生物多様性条約の第15回締約国会議は、2021年10月(中国・昆明)と、2022年10月(カナダ・モントリオール)の2部に分けて開催されました。この会議で決まった、「新枠組」について、環境省野生生物課の中澤圭一課長に3回の連載で解説いただきます。

続いて山階武彦助成事業活動レポートを。2021年度に助成金を受けた方の中から、大槻正遼さんに、北海道でのウミネコの繁殖におよぼすアライグマの悪影響に関する研究についてご紹介いただきました。山階鳥研では、野生鳥獣の保護に関する学術の振興に資する国際会議等に出席する研究者に対し、渡航費用を助成しています(2021年度から例外的に国内での活動も対象としています)。

小林さやか研究員による所員エッセーでは、2019年から山階鳥研と連携協定を締結しているハワイ・ビショップ博物館についてのお話。残されている手紙などを調べると、なんと80年前から交流があったことがわかったそうです。

巻末の鳥のモニュメントは、青森県風間浦村にある「井上靖文学碑 ナイター照明に飛来する鳥」です。

その他、今年度の事業計画、イベント告知・レポートなども掲載しました。

「山階鳥研NEWS」2023年5月号(第307号) 目次(敬称略)
1面
 表紙写真(カッコウ) 賛助会員 内藤健晴
2-3面 昆明・モントリオール 生物多様性枠組について(その1) 環境省自然環境局 野生生物課長 中澤圭一
4面 山階武彦助成事業活動レポート 北海道枝幸町におけるウミネコに対する侵略的外来種アライグマの影響調査 コグニザントジャパン(株)大槻正遼
5面 所員エッセー 80年前の手紙から紐解くハワイ・ビショップ博物館との交流 研究員 小林さやか
6面 文部科学省科学研究費補助金(特定奨励費)研究成果発表会を開催/インターメディアテク特別展示『極楽鳥』
7-8面 令和5年度事業計画と収支予算/事務局から(人事異動/山階武彦助成事業/表紙写真ご応募御礼/賛助会員・ご寄附)鳥のサイエンストーク/所員の著書/鳥のモニュメント/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
* 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
* 山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

こちらも合わせてごらんください。
山階鳥研ウェブサイト イベント情報ページ