昨年11月5日〜6日に、山階鳥研の地元、我孫子市で鳥と自然環境保護をテーマにしたお祭り、ジャパンバードフェスティバル(JBF)(実行委員長:小川博 山階鳥研所長)が会場開催されました。2020年、2021年とオンライン開催でしたが、3年ぶりの会場での開催となりました。
今回はバス移動での密を避けるために、我孫子駅から徒歩で移動できる範囲の会場の設計で、我孫子駅周辺と、手賀沼公園周辺(我孫子駅から坂を下りた手賀沼畔)の大きく言って2つのエリアで開催され、従来会場としてきた手賀沼親水広場のエリア(水の館、山階鳥研)は基本的に会場としませんでした(ただし、我孫子市鳥の博物館は会場とされました)。
そのため山階鳥研でも、例年開催していた、山階鳥研講堂で所員が交代でお話をする「山階鳥研見にレクチャー」は行わず、山階鳥研としての参加行事は、鳥学講座(我孫子市鳥の博物館と共催)のみでした。
感染対策への配慮から、会場の設計以外にも、海外からの出展がないなど、いくつかの点でCOVID-19流行以前より縮小しての開催となりました。さらに検温・消毒ブースを設けたほか、スタンプラリーはスマートフォンを利用したデジタルスタンプラリーとするなど各種の対策を取っての実施となりました。幸い天候に恵まれ、3年ぶりに会場開催の賑わいが戻りました。あちこちで、久しぶりに会う知り合いとの笑顔の挨拶が交わされていたようです。
我孫子市鳥の博物館と共催の鳥学講座として、「江戸の鳥の美食学―環境破壊や乱獲がもたらした野鳥食文化の衰退」(講師:菅豊(すが ゆたか)東京大学東洋文化研究所教授)を、我孫子駅南口近くのアビイホールで開催しました。この鳥学講座では、江戸時代の鳥猟がどのように管理されていたか、狩猟された鳥類がどのように流通していたか、野鳥を食用にすることにどのような意味づけがされていたかなど、来場者にとって初めて聞く内容が多くあったと思われ、興味深いものでした。結びとして述べられた、江戸時代末から明治以降の鳥猟の衰退は、現代のウナギなどの持続可能性の問題ともつながっているという指摘もたいへん重要と感じました。
アンケートには、「考えたことのなかった野鳥食の歴史についてわかりやすい内容でおもしろかった」「江戸時代であれば鳥の数は豊富で、いくらでも供給されたものだと思い込んでいたが、当時でもすでに人による影響が看過できないものになっていたことを知った」といったコメントがありました。
この鳥学講座には118名の参加者がありました。ご来場いただいた皆様たいへんありがとうございました。
※ JBFについては、ジャパンバードフェスティバルのウェブサイトをご覧ください。
※ 2012年度より全日本バードカービングコンクールはジャパンバードフェスティバルとは別に開催されています。2021年度のバードカービング 山階鳥研所長賞はこちらのページでご覧ください。